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ハート♥剛毛系

心が剛毛な心臓モサモサ系の人の散文。主に「自分のこと」を書くのがテーマです。

マリッジブルーで4万円

過去

私は何かある度に「なんでこんな性格になっちゃったんだろう」と思っている。
もはや、持って生まれたものとして諦めるしか無いのだが、まだそれを諦めきれず、今よりもずっと悶々と悩んでいた時期があった。そして、結婚する直前になって「結婚はすごくしたいが、まっとうな結婚生活が送れる自信がない」とマリッジブルーになった。
その頃はスピリチュアルブームも真っ盛り。
今も尚スピリチュアル系は強いけど、その当時、年上のバリキャリのお姉さん達はおかかえの占い師がいたり、経済力をフルにスピリチュアル系に使っていた(今もそうなのかもしれないけど)。


バリキャリのお姉さん達とお食事していたときに「え? さるころ、自分の前世知らないの?」と聞かれた。え、みんな知ってるの?! と思ったら、そこにいたお姉さんたちはみんな「○○で見てもらった」「私は○○だった」と楽しそうに前世トークを始めて、私はドギモを抜かれた。

「大人の女なら、前世くらい知ってるものよ」とのこと…。

彼女らいわく、前世占いに行くと自分が感じていた違和感などが解消されて、そして自分の大きな人生のテーマがわかる。ということだった…。
そのうちの1人の前世は

「ヨーロッパ貴族の放蕩息子で家庭に縁がなかった。今度こそ円満な家庭を築きたいと願っているが、元々自由な気質なのでうまく行かない。今世も家庭がテーマである」

というストーリーを聞かされて、納得した、ということだった。

トラウマもなければ家庭環境も恵まれているのにもかかわらず、業が深いというか、人格のパラメーターがおかしい自分は、もはや前世の因縁とかかもしれない。とにかく納得できて安心できたらそれはそれでラッキー! と思い、そのオススメの前世占いの人のところへ行くことにした。

電話して聞いてみると、そこは基本が四柱推命で、前世占いはオプションだという。
一時間2万円。四柱推命が1時間。その後前世が1時間。合計……なんと4万円だった。
それでも行ってしまったんだから、相当追い詰められてたんだなと今は思う。当時29歳。30歳目前で結婚が決まっていた私…。「まっとうな大人になりたい!」と焦る典型的な迷走するアラサーの病である。今だったら絶対に払わない…。


そして行ってみた占いは、元々鍼灸院だか整体だかをやっていたところだった。そして、どうも正直うさんくさいと思わなくは無いおじさんが1人いた。
まずは四柱推命四柱推命統計学だというし、まあ、別にスピリチュアルというよりは普通の占いで、そこそこ面白かった。ちなみにそこで家族構成から親の年齢とか個人情報は色々聞かれる。スピリチュアルが好きと言いつつ、かなり斜めからの視点が抜けない私は「なるほど、ここで色々聞いて前世の設定を練るのだな。ここまで材料があるんだから、そこそこ楽しい前世を頼む」と思っていた。
四柱推命が終わると「君からはインカの波動を感じるね〜」と言われたので「そうか、じゃあインカ系の前世エピソードが来るか」と期待した。

「いったん休憩ね、波動を高めないと前世が見られない」と言われて、私は謎のピラミッドコーナーみたいなところに入れられ「手の平を上にしてそのまま座ってて」と言われた。
そして、おじさんは…タバコ吸いながら世間話みたいなのを始めた。

「いや〜うちはね〜よく芸能系の人が来るんだよね。芸名を考えてあげたり、アドバイスしたり。でね〜前に見てあげた若い女の子がさ〜夜中に「どうしても今私を見て下さい」って電話してきて、それでしょうがないから見てあげたんだけど…入って来た瞬間から目がイっちゃってるんだよね〜。こりゃヤバイと思ってたら、その子はその後、付き合ってた男を刺しちゃったんだよね〜!」


え………………って、おい!!!!!!!
あんたがつけた芸名とか占いとか、役にたってないーー!
っていうか、その子が来たときにどーにかしなさいよ。整体師で占い師なんでしょ!
「目がイッちゃってる」じゃないよ!
役にたつ助言できませんってこと?!

と、ピラミッドの中で私は思った。
(ここで帰るべきだった…)

おじさんは「気功もやってあげるね」とピラミッドから出た私を立たせて手かざしを始めた。「歪みが取れるんだよ〜」と言われたが、その当時すでに空手をやっていた私はかなりまっすぐ立てていたし、空手では周りに整体に詳しい人が多く、歪みがある人はよく指摘されていたので、私はあまり歪んでいないハズだった。「背中が温かくなってきたでしょ〜」と言われたが…何も感じない。暗示にかかりにくいタイプです(ほんと…なんで占いとか好きなんだ…)。

それでもまだ…私は「ここは面白い前世話を1つ!」と期待していた。
そしてやっと始まった前世話。
・エジプトからギリシャに渡った女性(え? インカの波動はどこへ?)
・激しい恋におちて、駆け落ち同然にギリシャへやってきた。
・エジプトの美術品の鑑定をする仕事をしていた。
・狭い部屋に閉じ込められて仕事をしていたので、今あなたは自由を求めています。
・結婚は人質同然の政略結婚だったので、結婚にも自由を求めています。
「え?! 駆け落ちしてギリシャに来たんじゃないんですか?! 政略結婚?!」とさすがにつっこんだところ
・そ、それは、実はそれはあなたが子供に「お母さんはお父さんと駆け落ちして来たのよ」と言っていただけ。本人もそう思い込んでいたかもしれない。
・だからあなたの今世のテーマは自由に生きることなのです!(ばばーん)

適当にも程があるだろ!!!!! と思った。
あんた人の話聞いてなかったんかい! 四柱推命の間にもっと面白い設定作れそうな個人情報あっただろ! 父親との関係とか、弟との関係とか、もっとこう異性とか、結婚にまつわるエピソードに絡めそうなやつとか! 適当〜! 設定があまあま〜〜〜! 私のほうがもっといい前世つくれるうう〜〜〜〜〜! ストーリーテーリングの才能無いじゃん!! 全然無いじゃん!

と思った。

ドブに捨てた…。4万円……。
当たる、当たらないだけじゃなくて人の悩みを聞く職業は疲れるので、占いはお金を払ってうけるサービスだと思ってる。その昔「占いはキャバクラと同じ」と言っていた人がいたけど、飲み屋で愚痴るにしても対価は払うわけだし。「インチキかどうか」に関しては問題にならない。ただ、サービスの質と金額が折り合わなすぎてる場合は悲しい。

そしてそのおじさんは「今は四柱推命で言うと、あなたに助言をくれる人に出会う時期だね。それはたぶんボクなので、また聞きにおいで」と言った。

よし、このおじさんは死んでよし! と思った。

高い人生勉強代だった。


そして、自分の人格の構成に対しての腑に落ちる話は未だに見つかっていない…。

ちなみに結婚直後にたまたま見てもらった占星術の占いは結果的に当たっていた。離婚原因言い当てられてたな…と後から思いだした。こういうことがあるので、占いは面白い。
4万円払って以降は反省して、適正価格で楽しんでいます。