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ハート♥剛毛系

心が剛毛な心臓モサモサ系の人の散文。主に「自分のこと」を書くのがテーマです。

化粧とおしゃれは武装

「日本人女性は必ず化粧をしている」みたいな話を聞きます。
確かにアジア諸国にいくと女性はわりとすっぴんが多いです。

じゃあ、日本で大人の年齢の女性が化粧をしないでいるとどうなるか…?
男の人の中には女性に対して「化粧をしてない」とか、女性らしい記号が少ない女性に対して「上からモノ言っていい」みたいな感じの人っていませんか?

テレビ朝日の「アメトーーク」を見てると、いつも「女性の扱いが典型的なマッチョ男目線だなあ」と思います(男性の扱いもマッチョなヒエラルキーのルールの中にありますが)。
番組自体は嫌いじゃないのですが、あの番組の中での「女性芸人」と司会者の横にいる「ゲスト女性タレント」の扱いを見ていると「女性性の記号を完璧にまとった女性(モデル・女優・アイドル)」だけが褒め称える対象として扱われ、それが足りない女性芸人達が男性芸人に上から「査定」目線でマウンティングされていて、いつも「なんだかなあ…」とモヤモヤします。
芸人さんも女優さんも世界観の中で演じているだけなので番組としてはアリですが、リアル社会でやられると普通にセクハラ・パワハラですよね。


私は22歳まで化粧もせず、髪の毛もショートカットで、スカートもはかないタイプでした。


仕事自体は学生時代から見習い的に始めて20歳からフリーランスを始めました。なので年上の男性と接する機会も多かったのですが、22歳くらいまでの私の扱いは「面白い動物」みたいな感じでした。

私は思春期から22歳くらいまで「自分は性格的に女の子が向いてない」と思っていました。
双子の弟のことをよく「あの体は本当なら自分のものだったのに、何かの間違いで入れ変わってしまったのではないか」とさえ思っていました。弟のほうが優しいし、気が利くし、女子だったらよかったのに…(向こうがどう思っていたかは知らない)。

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女性性の記号がない女子がどういう扱いを受けるかというと、まず自分が恋愛の相手だとも思っていない相手から「なんでそんなに髪の毛短いの」とか「もっと女らしくしないと〜」とか言われます。
「そんなんじゃモテないよ」「だからボクがアドバイスしてあげてるんだ」というスタンスです。
いや私、別にあなたに好かれたくないですけど…?
むしろ女性的な扱いを受けたくないからこの格好なのに…。なんなの? と思っていました。


印象深かったエピソード…。とある男性がわたしと同い年くらいの極めて女性らしいファッションの女の子のことを褒め称えた後に私に「爪を見せて」と言いました。
素直に爪を見せるとドヤ顔で「甘皮の処理とか知らないでしょ? やっぱり女の子は爪のケアとかしないとね〜」と言いました。…知らないのはお前だろ…と思いました。甘皮の処理くらいしってるわ。マニキュア塗ってねーだけだわ。爪長いの嫌いだから伸ばしてねーだけで、爪のケアくらいしてるわボケ! と思いました。

ちなみに私は彼氏がいたこともあり「女性性を売りにしなくても、そういうのがむしろ好みの男性もいる」ということも知っていました。
なぜ好きでもない男性に勝手に「女としての査定」を受けなきゃいけないんだ…? と思っていました。f:id:salucoro:20140607041539j:plain



さてそんな私に、転機がおとずれます。
22歳になるかならないかくらいの時にある日、自分の姿を鏡で見たら「あれ? なんじゃこりゃ?!」と思いました。まったく服が似合ってないのです。

おそらく、顔が大人になってしまったのです。
それまでは子供っぽかった顔が、ある日気が付いたら「あどけなさ」みたいなものが抜けて無くなっていたのです。顔が子供っぽかったころはショートカットでも、ノーメイクでも、半ズボンはいててもアリだった気がしたのですが「女っぽい顔」になってしまい、なんだかちくはぐになっていました。
「やばい! このまま行ったら、わたしはボーイッシュとはかけはなれた、謎の年齢性別不詳のおばさんになってしまう!」と突然気が付いたのです。
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大人になってもボーイッシュなのが似合うタイプはスレンダーな人だと思うのですが、私は元々背も低いし、太めなので女性らしいフワフワっとした格好のほうが似合うタイプなのだろう…と考えました。

それより一年くらい前、年上の女友達に囲まれてウィッグをかぶせられて、化粧をさせられて、ワンピースを着せられる、という体験したことがありました。
その時に写真も撮られたのですが、かなり別人に仕上がっており、写真を見た男性陣にも「こっちのほうがいいよ〜〜」とか言われまくった経験がありました。
そのときはとにかく「化粧とかめんどくさい…」「そういうの好きじゃない」と拒否していていました。
しかし、一年経って自分で鏡を見て「これはヤバイ!」と思い、その時化粧してくれた友達にすぐさま相談しました。

友達のところに行き、化粧の基本を教えてもらい、帰りにドラッグストアで化粧品を買いました。そして、服も全然似合わない服ばかりになっていたのでどんどん買い換えて、ワンピースとかを着るようにしました。f:id:salucoro:20140606030500j:plain
髪の毛もそのときすでにショートボブくらいだったので伸ばして、数ヶ月でイメチェンを完了しました(余談ですが私は髪の毛が伸びるのがすごく早いです)。

これが、「○○さんに、女の子らしいと思われたい」とか「バカにしてきた男性達を見返したい」とか、そういう理由じゃなくて、自分の中のジャッジする人が「おまえはもうボーイッシュは似合わない。諦めて自分の体型と素質に似合う格好を選べ」という声に命じられてやっているような気分だったのでほぼ「コスプレ」でした。
でもコスプレはコスプレで楽しいものなので、イヤイヤやってるわけでもありません。かといって自分の中の「女性性」と、それに対する妙な距離感は残ったままでしたし、それは未だに残っています。
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そして、イメチェンを完了したころ友人主催の簡単なパーティのようなものに行く機会がありました。そこに行ったとたん、今まで私に上から目線でダメ出ししていた男性達が「どうしたの?!」「そっちのほうがいいじゃん!」と誉め始めたのです…。
そして、明らかに「女の子」として扱う人まで出てきたのです。中身は何も変わってないのに。

ええええええ?!
そんなに世の中、単純なの?! そんなわかりやすいの?!

とビックリしました。
しかし気が付けばそれ以降、本当に「女らしくしなよ〜」というような上から目線のダメ出しとか「こいつはバカにしてもいい」みたいな扱いがほぼ無くなりました。
もちろん、中身は変わらないので急にモテたりはしませんでしたがとにかく年上男性からのマウンティング行為は無くなりました。私は「ファッション変えただけでそんなに違うのか…」と今まで自分を上から目線で見ていた男性達に対して少なからず「バッカみたい」と思ってしまったのです。

それと同時に、本当に日本の社会では女の化粧やおしゃれは「武装」なんだなと実感しました。
やってないとナメられる。

まあ…その後、結構わかりやすく痴漢とか変質者っぽいおじさんのナンパ的な絡みも増えたし、飲み会に呼ばれて「ホステス役をあてがわれる」とか女性性をアテにされるようなことも増えたわけですが、この辺のモヤモヤはまた別の機会に。

もちろん、すっぴんでもバカにされたりナメられたりしない女性はいると思います。
すっぴんがものすごい美人だったり、妖艶だったり。またはあっけらかんとしててはつらつとしていたり、キャラが立ってたり…。化粧に代わる「何か」があればよいのかもしれません。
しかし自分が体験した経験では「勝手に女を査定していいと思っている男性」というのは決して少なくない数存在しており、化粧をしていることで避けられるストレスというのもあるのだなと感じています。
この「化粧は武装」問題も女子同士のマウンティング行為の中で語られることもあるとは思うのですが、私が経験したのは男性からのほうが多かったです。

若かったからナメられたのかな? とも思うのですが、30代になった今もあまり化粧っ気のない女性が男性にナメられた態度をとられたりしてるのを見ると「どうやら年齢ではないらしい」と思い、無自覚な「査定目線」にモヤモヤしてしまいます。

化粧はたしかに見栄えは良くなるし、けっして楽しくないわけじゃありません。
私は「自分の顔は化粧してるほうがいいな」とジャッジして始めたわけだし、別に「男にナメられないために」してるわけでもないです。
それでも「今日は気合い入れて行こう」という日は化粧やおしゃれに気合いが入ります。「武装している」という意識はどこかにあると思います。
とはいえ…女子力みたいな話とは縁遠い、化粧は10分以内みたいな適当さですが…(実は眉毛も未だにちゃんと描いたことないのにこんなブログ書いててすみません…)。

プリミティブな話にすると、マオリ族の入れ墨も、アフリカの先住民族の化粧も大体「自分を強く見せるため」とか「魔除け」とかの意味があるので、現代社会においても同じなんだろうな…とは思いますが…。

ちなみにわたしのパートナーは「化粧してるかしてないか、いまいちよくわからない」というようなタイプです。それはそれで張り合いはないですが、私にとっては好ましいです。
でも…本当は「化粧をしてない女性を下に見る」ような男性も、化粧をしているとか、スカートをはいているとか、そんなわかりやすい記号でしか他者(異性)を判別できてないってことなのかな…と思うと、同じくらい鈍いのかもしれないなあ…と思ったりもするのでした。

ちなみに「化粧もダイエットもネイルもしないほうが女の子はカワイイぞ、わかってないな〜」っていうのも、言い方によると「化粧しろよマウンティング」と何ら変わりなくただ好みが違うだけの「自分は女を査定していい」って考え方によるところなので気をつけたいところです。「別に世の中の女はあんたのためにやってない」と言いたくなります。自分の彼女だけに言っていいことだと思います。

私もメガネ地味系男子が好きなのですが「男はおしゃれとかしなくていい、ぼーっとしてるところがいい!」とか、そういう風には発言しないようにしています。男女関わらず主語は小さく「私はそっちのほうが好み」くらいにしておいたほうがよいと思っています。自分が男性を選別・査定できる立場にいるとも思っていませんし、この辺の発言はへたするとタダの性癖の暴露になりかねないので、自他共に気をつけたいです。
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