ハート♥剛毛系

心が剛毛な心臓モサモサ系の人の散文。主に「自分のこと」を書くのがテーマです。

出産とジェットコースター

ここ一ヵ月くらいはてなでブログを書いてませんでした。
というのも、2週間ほど前に出産したのですが、そのギリギリまで仕事をしていたからです…。
在宅で仕事だからと、ついつい…ギリギリまで仕事をしていました。
さすがにドキドキしましたけど、無事に「どうしても出産前に入稿しないとヤバイ」仕事だけは入れることができました。
…宿題はまだあるんですけど(どうしよう)。

実はこのブログは妊娠しよう、と思ったときからつけています。
妊娠したら行動とかある程度制限されるかなーと思い、じゃあ家でできる新しいことを始めようと思ってはじめました。

かといって、出産に関しては高齢初産だし、最後まで何があるかわからないから無事に済むまで黙っておこうと思っていました。

うちは男性不妊による体外受精治療での妊娠でした。
私もいい年なので、妊娠しないのはわたしのせいかな〜と思って検査に行ったら、私はどこも悪いところはなくて、パートナー側の原因でした。
卵子の老化」ばかりが注目を浴びてますが、男性も他人事じゃないのだな〜と思いました。
男性の皆さんも不妊は他人事じゃないかもしれません…。

ただそうなると選択肢は「体外受精」一択なのです。私は「妊活」とか全くせずに、「じゃあものは試しにやってみましょうか」とやってみたのでした。
そうしたら初回で妊娠しました。
30代の体外受精での妊娠の確立は3割くらいなので、ラッキーだったなと思います。


受精卵をもどす前に「妊娠したらできなくなること」をしてみたかったので、富士急ハイランドに行きました。それがこのブログの2つめの記事です。

こわくないもの【遊園地】 - ハート♥剛毛系
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「妊娠したらできなくなること」の1つは「ジェットコースターに乗る」で、思う存分やったらゲン担ぎ的に妊娠するかしら…とか思って、わざわざ富士急ハイランドまで行ってきたのです。
まあ、ただ私がジェットコースターに乗りまくりたいだけでしたが。
ジェットコースターはただひたすら楽しく、恐怖感とかはありませんでした。


「妊娠する」とか「子供を産む」とかに人生や女としての優劣を考える人も世の中にはいるみたいだけど、私にとっては「乗ってみたいジェットコースター」でした。
「痛いらしい」「コワいらしい」「生まれちゃったら寝られないらしい」「すごく大変らしい」「でも楽しいらしい」とか噂だけはよく聞いてる…。やった人しかわからないらしい…。
「ジェットコースターに乗りたい」みたいな気持ちで「出産してみたい」と思っていました。
しかも、タイムリミットがあるのでぼやぼやしてたら一生乗れない…。

そんなわけで、ちょっと高めのチケットを買って(不妊治療)「出産ジェットコースター」に乗ってみたのでした。妊娠してから最初の4ヶ月間くらい、ひたすらつわりがひどくて人としての機能が落ちまくったことは計算外でした。
フリーランスでよかった。こんな状態で通勤とかできない…。お勤めの妊婦さん、みんなすごい。と思いました(みんながみんなつわりがあるわけじゃないけど)。
妊娠後半戦はどこも悪いところがなくて、快調。これはなんだかスポーンと出産できそう!
と、ポジティブなイメージを持っていました。

出産が近づくとまさにあの、ジェットコースターの一番高いところに登っていく「テッテッテッテ」的な気分で「どれくらい痛いのだろう」「股から人が出るってどんなのだろう」と毎日ハラハラしていました。でも、ジェットコースター乗って死ぬ人も少ないし、出産で死ぬ人も今では少ないので「命までは取られまい」みたいな感じで過ごしていました。
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で、陣痛が始まり、ゴゴゴゴーと急降下していくと思ったら…それが全然終わらない。
なぜだか、周りのみんなに「安産タイプっぽいよね」「3時間くらいで終わりそう」とか言われていて、なんとなく自分でも「わりとスムーズに行く気がする」と勝手に思っていたんですよね…。
しかし、自宅で陣痛が10分おきになってから9時間待機させられ(病院に電話したら「声に余裕があるから、まだね」と言われた)、朝9時に病院に行き、入院が決まってから24時間経って翌日になってもお産は進まなかった…。でも痛いんだよ! その間ずっと痛いんだよ!
まるでダラダラと長いジェットコースターである。急降下は少ないのにグネグネと長く続くような、そんなジェットコースター…。
でも、ジェットコースターは…乗ったら途中では降りられないのでした…。
出産も同じで始まってしまったら、もう後には戻れない…。
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入院してから24時間陣痛して、陣痛促進剤を入れることになり、そこから1時間後…。この出産ジェットコースターは、急転直下の展開を迎え、いきなりお化け屋敷的なものにたたき込まれたかのような心臓飛び出る系のアトラクションになってしまったのでした。
というわけで、緊急帝王切開になっちゃいました。
いやー、本当にビックリした。
まさか自分がこうなるとはー! というのもあるし「うわあ、ドラマの急患みたいだあ」みたいな気持ちもあり。ものすごい勢いで手術室に運ばれて行きました…。
入院してからトータルで30時間くらいの出来事でしたけども、実際に帝王切開になって手術が終わるまはトータル30分弱。29時間分の陣痛はなんだったんだよ! と思ったけどしかたない(ちなみに陣痛があるのは一応赤ちゃん的にはメリットがあるらしい)。

しかし、私は「全てが無事に済んだら公表しよう」と考えていた…ということは「自分だけは無事で済むとは思わないでいよう」という考えだったので、「何かあったときのため」に総合病院での出産にしていました。そして実際「何かあった」のです。そして無事に手術で赤子を取り上げてもらいました。ああ、よかった…。

で、出産ジェットコースターに乗ってみてどうだったかといえば、入院して12時間過ぎたくらいから「なんで自然分娩にトライしてみようと思ったんだ、自分のバカ!!!」と思いはじめ「あれだけ西原理恵子さんが自著とかで『自然分娩なんてしなくていい、無痛のほうがいい』と書いてた意味がわかった! 無痛にすればよかったああああ」と思ったのですが、私は帝王切開になっちゃったのでもしもまた子供が産みたくなっても自然分娩はできないので、まあ…やってみて…よかったかな…? みたいな感じでしょうか。陣痛30時間とか、二度とやりたくないけど、もうできないので…。まあ、結局は下からは出せなかったので無痛でも結局ハラは切る展開だったんですけどね…。


普段からだいたいなんでも空手で解決できる『空手万能説』を唱えている私ですが、出産も呼吸法で痛みを軽減できて、なんとかなる、と空手の先生(女性)に言われていたのです。が! 正直言って、12時間が限界だった! そっから先はもう心が折れた! 呼吸法とかでなんともならねーよ! なんでこんなことしちゃったんだろう、ああもうやめられないし。みたいな事しか考えてなかった…。

私の空手万能説は、陣痛に敗北しました。

しかも私の出産ジェットコースターは帝王切開付きになってしまったので、更に切った後も痛い。母乳も全然でなくて、出すためのおっぱいマッサージが地獄の痛み。など迫り来る新たな「痛い事」の数々に「出産は痛みのデパートや〜」とか彦摩呂風にブツブツと1人でつぶやいていた。
とんでもねえジェットコースターに乗ってしまった…。

ちなみにもっとすごい「3日間陣痛」とか「会陰切開までして、バキュームまでしたのに出てこなくて結局帝王切開」とか難産コースもあるらしいので、入院して一晩でカタがついたなら…まあ…いいほう…なの…かな…?


あと私の人生で「怖そうだけどやってみたい」ことは「バンジー・ジャンプ」だけになったわけですが、これは自然分娩と同じく「やらなくてもよかったんじゃないか」とやってみて思うような気がしてきたのでしばらくチャレンジしないかも…。でも目の前にあったら飛んじゃうかもなあ。飛んだ瞬間後悔しながら。

今後も隙を見て不妊治療の話とか、出産時の詳細とか、事実婚の話とか長年の超夜型生活からちょっと午前中から活動する気になっただけで、やたら働き者になった話とか、あいかわらずパートナーに養ってもらってない代わりに、家事はばっちりやってもらってる話とか、色々していきたいなーと思うのですが、なにぶん物理的に両手が塞がってることが多いので焦らずのんびりやっていきたいと思っています。
とりあえず出産マンガは描きたいので頑張ります。大変だった=ネタゲットの精神なので、描かなきゃもったいないという考えなので。
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