ハート♥剛毛系

心が剛毛な心臓モサモサ系の人の散文。主に「自分のこと」を書くのがテーマです。

さよならインタビューズ。今からログ取るなら。

どうもどうも久しぶりにこっちのブログを書きます。
毎日育児マンガブログを描いてるのでこっちが全然更新できてません。
salucoro-mile.hatenadiary.jp

書きたいネタはたくさんあれど…。
今年はこっちのブログにも動きがある…と思います。思います。

で、どっかに書いておこうと思ったネタがあったのでぱぱっと書きます。
「インタビューズ」が終わりましたね、突然。
まあ、2014年にサービス終了ってアナウンスがあったと思うのですが、その後「やっぱり続けます」ってなったので「じゃあいいか」ってほっておいたんですよ。
で、ログ取らないでいたら急に見られなくなって終わってしまったですと…。

nlab.itmedia.co.jp

ログ取っておけばよかったーー!!
と後悔していたら「今ならここからまだログが取れるよ」と知り合いに教えてもらったので貼っておきます。

mthe001-821539231.ap-northeast-1.elb.amazonaws.com

ここのURLの「salucoro」のところを自分のIDにすれば自分のログも見られるハズです。
そのうち消えちゃうらしいので、悔いがある人はいまのうちにどうぞ。

で。ログを取りながら
自分の印象深いインタビューのやつをついでに貼っておきます。


─人生をようようとサバイブするには、何が大事だと思いますか?


面白い答えじゃないかもしれないのですがぶっちゃけて言うと「勝算」じゃないでしょうか。

「こうすれば生き残れるんじゃないかな」という直感的なヤツです。
現代社会をジャングルやサバンナに置き換えて「獲物を捕る」という感覚と申しましょうか。
「わたしじゃあの獲物なんか捕れないかも…」なんて思ってたらサバイブ的な人生はやらないと思うんですよね。
「こうすればお金がもらえて生活できる」って明確なプランと、それに見合う力。「狩る力」とでもいいましょうか。そういうものがなければサバイブ人生じゃない生き方がいいと思います。
実際人間は肉食動物じゃありませんから「カロリー」が「欲望」だと思えばいいと思います。そこそこでよければ危険な大物を狙う必要はないわけです。
私の実力と「カロリー」はたぶんイタチくらいかなあと思うのです。
イタチが獲物として牛一頭とか狩ろうとするのは無謀ですが、ちょっと大きめの鶏くらいを狩れたら幸せだと思うんでうよね。で、たぶん頑張ればできるし。
イタチが「あの鶏だったら狩れるかな」みたいな、そういう「身の丈にあった勝算」。
そういったものじゃないでしょうか。
この先も食いっぱぐれず生きて行きたいものです…。
2011-10-13 00:56:26

─大人になって良かったこと教えてください。私は高校生ですが両親をみていていつも何か我慢して、全然遊んでなくて大人ってつらそうだな、としか思いません。


ぬ、ぬ、ぬ、ぬわんですとーーーーー!!!!
こ、高校生さんがわたくしに質問してくれるというのも嬉しいですが大人が辛そうとしか思えないとは………。

何も我慢してない、自由満喫中のわたくしとしては大人になってよかったことは「大人になったこと」!
と思えるくらい、大人最高! とか思っています。

私は小学生のときから「早く大人になりたい」と思っていました。
大人になれば自分で行きたい所に行ける。自分で欲しいものが買える。
自分のやりたい職業につける。自分ですべて選ぶことができる。
いいことばっかりじゃないですか。
20歳のときに1人暮らしして、スーパー行って自分のお金で「桃4個パック」を買って「全部自分のものだあああ!」と思った時の感動が忘れられません(笑)。
(姉弟4人で桃が争奪戦だったんですよ……!!! 別に全然貧乏とかじゃなかったんですが(笑))

大人になって一番いいことは「自分で選べる」ことです。

私はいつも「必要なものしか手に入らない。そして必要な物は必ず手に入る」と思っています。これが「欲しいもの」でないことがポイントです。

私は我慢するのが苦手です。
我慢してまで欲しいものはないなーと思っています。
「結婚」で例えるなら私は我慢するのが苦手だったので「離婚歴のある人」になりました。お互いの理想の幸せの形が違うことに気が付いたのに無理して一緒にいる「必要」がなかったからです。
しかしこの世で何よりも「結婚してること」が大事ならば相手に問題があろうと我慢したりするかもしれません。その人にとって「素敵な文句ナシの旦那様」というのが「欲しい物」だったとしても「結婚してることが必要」な場合「我慢」という選択肢を選んでしまうかもしれないということです。その人にとってなにが「一番必要な物」なのかで選択肢は変わるのだと思います。

だから、あなたのご両親もあなたにとって「何か我慢して、全然遊んでなくて辛そう」かもしれませんが、きっと「人生にとって一番必要な物」のためにやっているんだと思います。

そして1つ言うと「我慢」と「努力」は時としてよく似ているということです。
あなたの目からみた「我慢して辛そう」はひょっとしたらご両親にとっては「よりよい人生を得るための努力」かもしれません。

しかし、そんな人生じゃないほうがいいな、と思うのであれば「自分が思う楽しい人生を選ぶ」ことができます。それを自分で選ぶことができるのが、大人です。

幸せな大人になるために、自分の納得いく人生を選択できる力をつけて、
そして自分の人生を楽しくハッピーになるような選択をしてください!
2011-10-09 01:21:22

この時の高校生さんは今は成人してるかもしれないけど、どうしたかな。
自分でよい人生を選べる大人になってるといいな。

母子別姓事実婚で子どもと海外旅行しました

salucoro.hatenablog.com

以前書いたエントリで子の代理人の業務について書きました。

次に子のパスポート取得をしたらまた追記したいと思います。

と書きましたが、実際に取ってきたので書きます。

結論から言うと……銀行口座よりも楽でした。
母子別姓でも全然問題なく子の代理人としてパスポート申請ができました。

パスポートの申請書類には「戸籍謄本または戸籍抄本」が必要です。
国内及び国外でパスポートに関する申請手続きに通常必要な書類 | 外務省

戸籍謄本または抄本には「親権者」が誰か、明記されています。
しかも、私は一度法律婚をしているので、戸籍謄本ならパートナーと子が入っている籍に「除籍」として名前が載っています。
つまり、誰が母親なのかは明らか。

戸籍謄本さえあれば、なんの問題もないのです。
母子別姓、恐るるに足らず!

ただ保険証の提示は求められました。母子が同居している証明がいるようです。
日本において親権は「同居」する権利が前提になっているようなので、そこの証明は必要なようでした。

こうなると、父親が申請した場合はどうなったんだろう? と思わなくは無いです…。
保険証をみれば父親が世帯主で同居しているのは証明できるので「事実婚法律婚していません」と言えば、同じ戸籍にいる子どものパスポート申請は可能なのだろうか…。
子どものパスポート申請の代理人は厳密に「親権者」に限るのだろうか…。
これは検証できませんでした。

ちなみにパスポートにはサインが必要ですが、乳幼児にサインはできないので親が代筆します。
その場合「by 〇〇〇〇(Mother)」と本人の名前の下に代筆者の名前と本人との関係を明記するんですが、これももちろん母子別姓です。
コレにサインしてパスポートができあがったときはなんだか「ああ、母子別姓でも全然大丈夫!」な感じがしました。なんか、お墨付きをもらったような、そういう気分にはなりました。

とりあえずあっさりパスポートが取れてしまったのでついでに「使った時の話」も書いておきます。

ようは出入国についてですが、出国でも入国でも母子別姓、夫婦別姓でも「家族」として全員一緒に審査を受けられました。
Oh…事実婚、ほんと全然不便ジャナーイ。

というわけで疑問だった「事実婚・母子別姓での海外旅行」は「全然問題ないし、特別な行程もいらなかった」です。

ちなみに私のパスポート…前回の婚姻時の姓のままなんですよね…。
今は姓が変わるとパスポートを作り直さないといけなくて手数料も6000円かかるんですが、以前は「記載事項の訂正」(スタンプとタイプ印字による訂正)でOKだったのです。
ハンコによる訂正は料金が安かったので(900円)、有効期限がたくさん残っていたので新しく作り直しませんでした。
制度が変わったのは平成26年3月20日なので、私のパスポートは前の婚姻時の名前/訂正旅券で、なおかつ事実婚でパートナーと子どもと名前が違う…という複雑なものでしたが、トラブルはありませんでした。

でも今調べてみたら旅券法が変わったのって訂正旅券におけるトラブルが多発したからみたいで、問題なくてラッキーだったのかも(とはいえ、そのトラブルは事実婚におけるものではなくて訂正旅券によるものの可能性は大きいですが)。

ちなみにパスポートの手数料一覧はこちら。
PASSPORT_手数料一覧
f:id:salucoro:20151024045852p:plain
東京都生活文化局/パスポートの申請についてのページより

前に結婚したときにパスポートを作り替えてしまい、3年半で離婚…。
10年パスポートの手数料は16000円もするから、なんか…もったいないというか有効期限が残ってるのに私だけまた16000円払うのは「改姓したほうだけ負担が大きいこと」の顕著な例だったので「ムダなお金はなるべく払いたくない! 10年使ってやる!」と思って、改姓(元の名前にもどってから)してからもずっとこのパスポート使っていたんですよね…。

そのパスポートもとうとう来年期限切れ。有効期限いっぱいまで使ってやったぜ!
と思いつつ来年有効期限切れるんだから、今回子どもと一緒に取り直せばよかったかな…。

まあ…10年、改姓にまつわる色々を共に歩んだパスポートなので、最後まで使えてよかったと思うことにします。来年、新しくパスポート取ったらちょっとスッキリするのかもしれないなあ。f:id:salucoro:20151024114913j:plain


追記:ブックマークコメントもらったので一つの例として記述させて頂きます。

id:shn 事実婚で父親(親権なし)ですが、パスポートの申請は出来ないと窓口で断られました。

親権ないと同居しててもパスポートの申請は出来ないんですね。日本も共同親権を導入したらいいのになーと思うのですが、そうしたら揉めごとも増えちゃうのかな…。

魔法の呪文は「は〜どっこいどっこい」

いつのまにか子どもの体重が10.3キロになっていました。
子どもが生活の中心になり、夫婦2人の関係がだんだんおざなりっていうか、ちょっと雑っていうか…みたいな感じに…ならないように気をつけながら生活をしています。
(バツイチ同士はその辺の問題にセンシティブなのです)

とかいいつつ、生活が長くなってくると前は「まあいいか」で済ませていたのが段々気になったりしませんか。
逆にすごく気になっていたものが気にならなくなったり、改善されたりした結果、些細なことが気になるようになるのかもしれません。

最近パートナーに改善してほしい、と頼んだことがあります。

パートナーは疲れると「は〜やれやれ」と言います。
口癖らしく、よく言うのですが、前々からじんわりと「イヤだな〜」と思っていたんですよね。

「やれやれ」っていうのは、他人に対して「しょうがないな」という意味で使う言葉だと私が思ってるからです。

疲れたときに「は〜やれやれ」って言うのは「原因が自分の外にあって、だからしかたない」と自分を納得させてると感じるんですね。

で、実際に仕事相手とかに不満があったりするときにも使っているわけです。
仕事の電話を切ってから「は〜やれやれ」と言えば今電話していた相手に対して言ってると思ってしまいます。

で、これをなんの脈絡もなく突然言われると……「私がなにかした??」と思ってしまうのです。

買い出しに行って「は〜やれやれ」
子どものゴハンの仕込みをして「は〜やれやれ」
なんかね…「おまえのせいで疲れている」と言われてるような気がしちゃうんですよ。

というわけで話合い。
もちろんパートナーは「疲れたなあ」くらいの気持ちで言ってるので、悪意はないし、私に「おまえのせいで疲れている」とも思っていないという。

でも言われる方はそう思うのよね。
だからといって「言うな」っていうのは建設的な話合いじゃないなあと思って。
代わりになんだったらイヤじゃないか…。
たとえば正しい意味で言えば「あ〜つかれた」って言えばいいんだろうけどそれだと「ため息」のかわりに口に出して言いたい日本語みたいな感じがないよね…。

というわけで

「は〜どっこいどっこい」

はどうだろうか。

と提案してみました。

買い物行って帰ってきたら「は〜どっこいどっこい」
仕事の途中に「は〜どっこいどっこい」

おおお…なんか…素直に「お疲れ様」って言える気がしてきた。
「は〜どっこいどっこい」はかなり言われると気が抜ける。
言われただけで「たはは」と小さく笑っちゃう感じがある。
そう思ったときに「やれやれ」はわたしにとってはネガティブワードだったんだな〜…と思いました。
地味に毎日少しずつ引っぱられていたんだなと。

パートナーはなるべく「は〜どっこいどっこい」と言ってくれるようになりました。

それを聞くと「疲れてるんだなあ」と思うのと同時に「ああ、私にちゃんと気を遣ってくれてるんだなあ」と思って嬉しい。

雑になりがちな子育て中の夫婦のやりとりにおいて、こういうやりとりは大事だな…と思いました。

もちろんたまに「は〜やれやれ」って言うのだけど、それが聞こえちゃってやだな、と思ったら私は「どっこいどっこい」と言う。そうすると、パートナーは「どっこいどっこい」と言い直してくれます。
そのやりとりはちょっと楽しい。

パートナーが「は〜やれやれ」と言って吐いていた「疲れ」という呪詛を打ち消す呪文を手に入れたような気分。

f:id:salucoro:20151024040853j:plain
f:id:salucoro:20151024040912j:plain
f:id:salucoro:20151024040930j:plain
ちなみに「どっこいどっこい」には「お互いさま」の意味があるけど、その意味はあまりなくて「どっこいしょ」的な「ちょっと頑張るときに付け足すかけ声×2」的なニュアンスなので「疲れた〜〜、けどまあ、がんばろう」みたいなポジティブ感をフレーバーにしています。何よりも言ったときにくだらない感じがあるのがいい。

というわけで、自分でも今後使っていきたいな…と思っています。

は〜どっこいどっこい

「生んだら無条件に愛せる」のか問題

(※2015年8月27日今さらですがエントリーのタイトルを「自分の子どもがかわいい」と思う理由」から変えました。内容は変わっていません)

今月息子が1歳になります。
早い…早いよ…光陰矢のごとしだよ…。
そしてもう赤子は立ってるし、歩き始めました。
あんなふよふよでぐにゃぐにゃだったのに9.5キロになって歩いている…。
赤ちゃんてすごいな…と思っています。
f:id:salucoro:20150806000737j:plain

世の中には親子関係っていろいろありますよね。
「親は子を無条件で愛せる」みたいなのが一応スタンダードとされているようで、最近は虐待とかネグレクトとか、全然愛せないパターンもあるというのが話題になっていますし、過干渉とか支配とか毒親とかもさかんに取り上げられています。

自分は子どもに対してどういう感覚になるのかな〜と思っていたので、生んで1年やってみたところの感想を書きます。

生んだら無条件に愛せる?

妊娠してから、お腹がおおきくなるにつれ「自分はこの人を愛したりできるんだろうか」と思っていました。
腹を蹴ったりされていましたが、顔が見えるわけでなし。ボディーランゲージの文通みたいな感じで、その相手をどう思うかって言われると「どうやら家族になるらしい人」みたいな感じで、かわいいとか愛おしいとか、そういう気持ちはありませんでした。世の中的には「お腹の中の子が愛おしい」みたいなのがあるっぽいんですが、私には全然なかった。でも生んだら変わるのかな〜とは思いました。

出産は難産だったほうだと思います。
陣痛が10分間隔になってから病院に電話したら「まだ生まれないから朝に来て下さい〜」と言われて家で9時間待機。その後入院して24時間陣痛…しても全然生まれないので陣痛促進剤して、あ、生まれそうってなったら「赤ちゃんの心拍数が低下してます!!!」みたいになって看護師さん、研修医、その他いろんな先生に取り囲まれ「へその緒が絡まってました、じゃあ手術で」となって緊急帝王切開になりました。
緊迫した感じでバタバタと運ばれ、私よりも周りがテンパりまくりで「おや、ヤバイ感じなの?」と思いつつ、手術室に運ばれて行きました。
内心「あの陣痛は全部ムダだったのかいっ!」ってなりましたけど、なんだかんだと無事に取りだしてもらい、健康な赤ちゃんを産むことができました。お医者さん、看護師さん、麻酔医さん、全ての人にありがとうありがとうと思っています。

そんな状況だったので、生まれた赤子を初めて見たときの感想は「あー、よかった無事に生まれて……って頭とんがってる!!!!!!!」でした。
なんか、骨盤にずっとはまってたらしくて頭がとがってたんです。コーンヘッドでした。
「戻りますよね? これ治りますよね??」って聞いて「すぐ普通になりますよ〜」って言われたのが手術室での会話です。
f:id:salucoro:20150806000849j:plain

テレビとかで見る、生まれた子どもを見てお母さんが感動して泣いたり…みたいなのは全然無かったです。
手術で麻酔をかけられるときの受け答えも「気分が悪くなったりしてませんか」の質問にも「吐くのが10だとしたら1くらいです」と答えたりして先生に「冷静ですね…」って何回も言われました。周りがテンパると逆に冷静になっちゃうんですよね。どうせ私は何もできないんだし…。

帝王切開すると、その日は1日寝て過ごします。熱も出るし、体中からコードとか管とか、血栓が足につまらないようにするマシーンとかいろいろ繋がれてへろへろです。
人生で1番「死」に近いな…と思いました。体力ゲージの満タンが100で、花粉症がひどいときで90。風邪を引いたら80くらい。だとして、50くらいだなって思いました。完全に動けないし熱がガンガン出て意識は朦朧とするし。

そんな中で「ああ…仰向けに寝てる…今まで腹が重くて寝られなかったのに。蹴ってたあいつはもうお腹の中にいないんだな〜」と思いました。かといって寂しいでもなく、寂しいとかそういう感じよりも己が辛い。生きねば。みたいな感じでした。

生んだ瞬間謎のホルモンが出て「キャーかわいい」とか「生まれてくれてありがとう」みたいな体験するのかな〜と思ってたんですが、全然そんなことはなく、病室にほやほやの赤子が運ばれて来たときも「お、おう、これか」みたいな感じでした。熱が出てう〜んう〜んと唸りつつ「まあ、まだ1、2回しか会ったことない人のことを想うのは無理だな」って思いました。

f:id:salucoro:20150806000931j:plain

そして、2日目から世話を始めるのですが、腹は痛いしおっぱいは出ないし…。
そんな中でも世話ができるのが愛…っていうことは全然なくて、責任感でした。「これはあなたが担当することが決まった、赤ちゃんです」みたいな感じ。


そんな私ですが、4日目くらいから「うわ〜〜〜?? なんか、赤ちゃんかわいくない?」と思い始めました。愛情ホルモンのオキシトシンが作動しはじめたようです。

それで思ったのは、たぶん自分が産んだからかわいいんじゃなくて、これは「自分が担当してるからかわいいんだな」ってことです。

そういえば、うちの猫おファルにゃんも、生んでないけどカワイイ。
「うちにいる猫」だから、よその猫よりもカワイイ。
赤子も同じ。自分が世話する存在だからかわいい。

ってことは、他に育てる人がいない新生児を「今日からあなたの担当です。他に育てる人はいません」って突然置いて行かれたら、生んでなくてもたぶん世話してるうちに余裕でカワイイと思うようになって「うちの子最高にカワイイ」ってなるんじゃないかなと思いました。

自分にとっては「出産」はアメージングな体験だったけど、その事実はお腹から出てきた人との関係にはあまり大きく影響せず、その後に世話をすることによって思い入れたり愛おしいと思ったりするタイプだったのか〜〜と。
それがわかったのが面白かったです。

属性よりも相性のほうが大事だった

パートナーには前妻との間に2人子どもがいるんですが、それに対して女友達の中に「そういうの、イヤじゃないの?」とか言う人がいます。
それを聞く度に「そうか、イヤ派は割といるんだな。私は全然イヤじゃない派だな〜」と思います。
「子どもがいるのイヤ派」の友達は「子どもは大事に決まっている。自分よりも大事な相手がいる男性とパートナーになれない」と言っていました。そういう感覚もあるんだ! と思いました。
私はそういわれると「自分には子どもはいないけど(←付き合うと決めた時は)、パートナーも自分の家族(親姉弟)もどっちも大事だから、大事な相手がパートナー以外にいてもいいのでは」と思いました。圧倒的にパートナーよりも子どもや親姉弟が大事だったら困ると思うけど、どっちも大事みたいな感覚は誰にでもあるよね。と思ってしまうので「パートナーに自分以外との子どもがいるのがイヤだ」という感覚はないみたいです。
子どもたち本人と会ってみてどうしても「気が合わない」とかだったらしょうがないと思うし、無理して付き合うことないなと思ってましたが、実際会ってみたら「ああ、この父親の子どもだな〜」という感じでてかなり好印象だったし、お互い相性が悪くないようなので、親戚付き合い(たぶん叔母さんくらいの感じ)くらいの距離感で付き合っています。

そもそも、自分は属性で判断されるのはイヤです。
よく知りもしない人からおおざっぱに「女だからこう」って態度されたら無茶苦茶腹立つし、海外に行って「日本人だから嫌いだ」とか言われたら納得できないな〜と思います。私個人のことが嫌いなんだったら仕方ないし、受け入れるけど、自分が変えられない属性であーだこーだ言われるのは理不尽じゃないかと思います。
それと同じように、誰かの子どもだから嫌いとか好きとか、そういうのも受け入れがたい。
そんなことより、本人がどういう人間かのほうが大事。

常々そう思ってたけど「それは理想論で、子どもを産んだらさすがに変わるかな。自分が産んだ子だからかわいいと思うかな」とも思ってはいました。ところが実際に生んでみても、生んだことよりも「自分が守らないといけない」という関係性のほうが重要だったので「自分の理想と本音は結構近いのかも」と思えました。

自分の子どもがかわいいと思う理由はそれぞれ

最近ママ友と話していて、自分の子のことを「好きな夫の子だからかわいい」と言われて、そういう価値観もあったか…! と思ったのですが「自分の子どもが1番かわいい」と思うところは一緒でも、「自分が産んだ子だからかわいい」「自分が育ててる子だからかわいい」「好きな男の子どもだからかわいい」……とか「どうして子どもがかわいいと感じるのか」の根拠って実はみんなバラバラなんだろうなと思いました。

だからそれと同時に「かわいく思えない」っていうこともありえるんだろうなとも。
「親はこどもをかわいく思のが当たり前」と思うよりは「自分はどうして子どもがかわいいのか」を考えておくのは大事なのかもしれないし、理由はそれそれ人によって違うんだということを意識しておくと、人の子育ての価値観といい距離が保てるかもしれないなと思いました。f:id:salucoro:20150806001127j:plain

※追記 コメントを変えた理由はぽつぽつ言及してくれる人がいるたびに「タイトルがいまいちなのよね…(´Д` )」と思うので思い切って変えました。さっさと変えればよかった…。

「モテる」は「持てる」? で、何を。

ちょっと過去の自分を振り返る作業をしていたので、メモ的に。

20代のころ、私は人間関係で四苦八苦していました。尊敬する人や好きになった男性とそれなりに仲良くはなれるのですが、その後関係がこじれやすかったのです。
そんなとき、モテモテの女子が私に言いました。

「好きって思う気持ちはとても気持ちがいいんだよ。だから、自分ばっかりやってちゃダメ。相手にもさせてあげないと」と。

それを聞いた私は「えーー? 私のことなんかそんなに好きになってくれる人いないから悩んでるのに?」と思いました。
自分に自信がないと、相手が自分ことを好きになるとか、相手が自分の為に何かしてくれるとか、そういうことを求めるハードルが高くなってしまいます。
「そんなことを言えるのは、あなたがモテモテ女子だからじゃないの?」と思いました。

自分は「モテない」から自分から誰かにアプローチしなければ何も起こらないし、自分から相手に尽くさなければ一緒にいる価値がないんだ、思い込んでいました。
「ねえ、〇〇がしたいの」
「〇〇がほしいわ」
「〇〇をやって」
とかって、モテモテ女子でもない限り、男性に求めるのは無理じゃない…??
少なくとも、私には無理だなあ…と思っていました。


でも…そもそも「モテる」ってなんだっけ?

「持てる者、持たざる者」的にいうと「持ってる」人は「社会的地位・名声・富・美貌」などを「持ってる」ってことかな。となると、そういう人が「持てる=モテる」のはわかるし、自分はそんなに「持ってない」ので「モテ」なくても当然だなと思っていました。

しかしある日気が付いたのです。
もしかして何かを「持てる」人のことだったら?

私は20代の殆ど生活が「仕事も1人、生活も1人」だったのですが、常に誰かと話しができる環境が欲しかったし、誰かと何かを分かち合うことに憧れを持っていました。
そして私の人生の「不安」とか「責任」や「希望」とか「夢」とかを一緒に「持って」くれる人がいたら、なんてステキなんだろうと思いました。


f:id:salucoro:20150612142202j:plain


と、言えば聞こえはいいのですが「この先の人生が不安だ〜。1人で寂しい〜。だから誰か一緒にいて欲しい〜」って感じだったんですよね。
だから相手のことを「好きです」ってアプローチしてるんだけど、本当は「だから荷物持って」と言ってるだけだった。
正直、そんな感じの人と恋愛したいか? と言われると…イヤですよね…。

私は相手に「好き好き」と言いながら、何かを持ってもらいたがっていた。
まるで妖怪「持って持って」です。カタカナで書いたら「モッテモッテ」なので、まるでモテモテのようですが、「モテる」とは真逆の、自分の人生の不安や責任を持ってもらいたがる妖怪です。
普通逃げるよね。そんなの。そりゃフラれるわ!
f:id:salucoro:20150612072928j:plain

このままではいやだ。と思った私は「モテる」人になろうと思いました。
「持てる」人です。
人の不安とか、責任とか、一緒に持って上げられるような、心の力持ちになろう。そう思いました。
すると、今までの好みのタイプから180度違う、ちょっと頼りないけど優しい人みたいな人に目が向くようになりました。

そして元夫と出会い、付き合いを経て結婚に至りました。

なので、私は「よし! この作戦は成功した!」と思っていたのです。
「そう、私は持てる人間。愛は求めるよりも、与えるものよね」などと、けっこう本気で思っていました。

「好きって思う気持ちはとても気持ちがいいんだよ。だから、自分ばっかりやってちゃダメ。相手にもさせてあげないと」

この言葉を思い出して、なるほどなるほど。私が相手の荷物を持つことによって、向こうが私のことをちゃんと好きになってくれる。相手もとっても幸せそう。よかった。と思っていました。
f:id:salucoro:20150612073011j:plain

が! それで、どうなったかと……申しますと。

気が付いたら、川の水を飲んでいたのです!!!!!
salucoro.hatenablog.com

相手に何かするばかりで、相手から何もしてもらえない。でもそれを「自分で望んだことだし」「1人じゃないし」と、納得したつもりでいたんですよね。
「喉が渇いてないから、私幸せ!」と言って、川の水を飲んでいた。

人の荷物ばかり持って自己満足していたら、だんだんその荷物が膨大になり重みでへとへとになっていたのです。結婚しちゃっていたので、「あれ? もしかして、私ってこのままもう一生、誰にも頼れないし、誰かに助けてもらうことを期待もできないの…?」と気が付いて絶望的な気持ちになってしまったのです。

そして結局、離婚してしまいました。

私は自分が妖怪「持って持って」だったこと反省して、行動して、成長した、うまくいったと思っていたのですが、一方的に持ってもらいたがることを、一方的に持つことに変えただけで、実は全然成長してなかったのです…。

「好きって思う気持ちはとても気持ちがいいんだよ。だから、自分ばっかりやってちゃダメ。相手にもさせてあげないと」

これは「好きと思う気持ち」だけじゃダメなんですよね。

相手からもちゃんと何かしてもらわないとダメ。相手にもちゃんと自分の人生の荷物を持ってもらわないとダメ。

「相手の為に何かするのは気持ちがいい。だから、自分ばっかりやってちゃダメ。相手にもさせてあげないと」なのです。

なるほど、マンガとかでよくある「尽くした彼氏が『おまえは強い女だから大丈夫だけど、彼女は俺がいないとダメなんだ』と言って去っていく」のはこれが原因か。と思いました。
私の場合は「一方的に何かしてもらうだけで全然OK」タイプの人だったので関係を続けるだけならいくらでもできたと思うのですが、自分が疲弊してしまって白旗をあげました。
結局、一方的でバランスの悪い関係は継続するのが難しいということです。
f:id:salucoro:20150612073046j:plain

そして今は、パートナーにはゴハンも作ってもらって、何でも頼める関係を築けています。
自分の為に何かしてもらえて、相手の為にもちゃんと何かしてあげられる。
相手を頼ってなにかして貰うのは「モテモテ女子」にしか与えられない特権ではなくて、長く続ける関係の中では普通のことなんだなと、30代後半になって、やっと思えるようになりました。

「モテ」とはなんぞや、の正解はめぐりめぐって結局は「持ちつ持たれつ」なんじゃないのかなあという話でした。f:id:salucoro:20150612073146j:plain

子有りで事実婚

こんにちは。“水谷”さるころです。
人生3度目の水谷姓です。
というわけで、出産のときだけ法律婚して再び事実婚に戻って参りました。
って書き出したのは12月末。5月になっちゃった…。
赤子の観察と仕事の両立に日々忙殺されています。

前々から「事実婚をしている」と言っているのですが「子どもがいる状態での事実婚はどうやってするの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに、夫婦2人での事実婚と、子どもがいる状態での事実婚は違う形になってきます。
そして、その方法も「事実婚をしたい」理由によって違ってきます。
なので、うちの場合はこうやってるよ。という体験談を書いてみたいと思います。
4ヵ月間試行錯誤したので長いです。

まず、法律婚でできることは、殆ど事実婚でもできます。

法的な権利・義務

社会保障制度(医療、健康保険、年金など)は事実婚(内縁)でも受給が認められますが、税制上の優遇などは認められません。

婚姻に準ずる形(準婚)生じる義務と権利
1)夫婦の同居・協力扶助義務(民752条)
2)貞操義務、婚姻費用の分担義務(民760条)
3)日常家事債務の連帯責任(民761条)
4)夫婦財産制に関する規定(民762条)
5)内縁不当破棄による損害賠償、内縁解消による財産分与(民768条)
6)遺族補償および遺族補償年金の受給権(労基法79条・労基則42条)
7)優生手術の同意(優生保護法3条)
8)年金・健保・労災など各種受給権(厚生年金保険法3条の2、健康保険法1条の2、労働者災害補償保険法16条の2)※扶養に入れますので、国民年金3号も可能です。
 8)-b 離婚時の厚生年金分割
 (事実婚に係る厚生年金の分割請求の要件について)社会保険庁 (2006年)
9)賃貸借の継承(借地借家法36条)
10)公営住宅の入居(公営住宅法23条の1)


事実婚で認められない権利
1)夫婦同一姓名
2)子の嫡出性の推定 ※つまり、全員非嫡出子になります。
3)婚姻による成年
4)夫婦間の契約取消権
5)配偶者の相続権 ※ただし遺言によって贈与することはできます
6)税金の配偶者控除

上記はこちらのページから引用しています。
http://www.h6.dion.ne.jp/~pnest/wedding/jijitsukon.html


表にしてみました。
f:id:salucoro:20150426040531j:plain
(表の作成はid:salucoroによるもの。id:salucoroの責任において確認できたもののみ、平成27年時点で法律が改正されているものは修正しています)
つまり、事実婚でもお互いが困ったときは助けないといけないし、浮気しちゃダメだし、浮気したら慰謝料もらえるし、経済的DVとかもしちゃダメだし、公営住宅にも一緒に入れる。

あれ? 私は扶養もされない、税金も別々に支払っていて控除もない。だったらわざわざ名前を変えてまで法律婚するメリットないじゃん?!
と、気が付いたので、私は事実婚派になりました。

なお、表には含まれていませんが事実婚法律婚に比べて「離婚のハードルが低い」というものがあります。事実婚は両者が合意し、住居を共にすることで成立しているため、片方による解消の意志の表明で法律婚でいうところの離婚が成立します。もちろん、不当な理由で破棄されたほうには損害賠償請求権があるわけですが、合意がなくても「事実婚の解消」は可能です。それをメリットとするか、デメリットとするかは夫婦の関係性にもよると思いますが、うちの場合は「法律による関係の拘束力」にはあまりメリットを感じないので(関係性の悪化、事実上の婚姻関係の破綻があったとしても婚姻を持続させるメリットがない)あまり問題にしていません。

夫婦別姓

私が事実婚をしたいのは主な理由は「夫婦別姓」がよいからです。
夫婦別姓をする理由はひとによって違うと思いますが私は前の結婚と離婚で改姓を2回やり、大変煩わしかったのでもうやりたくない…と思ったのが一番の理由です。
その他にはパートナーとの心理的バランスの取り方や、自分達の場合「法律婚のメリットが少ない」などの理由があります。

改姓についてはこちらのエントリーをどうぞ。

f:id:salucoro:20150429154821j:plain

女性も一緒に働いていて、男性に養われたりしてない場合でも、結婚して改姓すると男性だけが経済的に強いと誤解されてしまうケースが出てくる。
私は前回の結婚で前夫と財布は別、お互い五分五分の折半だったにもかかわらず「旦那さんがいるから、もう仕事はそんなにしなくていいのよね、羨ましい」などと言われることがありました。結婚後に仕事が減ったような気はしていたのですが、実際に納期の厳しい仕事などはオーダーを避けられたりしたようです(離婚後に発覚しました)。
今の生活もパートナーに経済的にサポートされたり、養われたりしていないので、「もう仕事しなくていい」という誤解をされたくない…という気持ちもあって事実婚を選びました。
「私はそんなこと思わない」という人も「私は結婚して働いてるけどそんなこと言われたことない」とか、そういうこともあると思うのですが、その辺は各々の個人の環境の違いなどもあると思います。私の場合は会社勤めではない「在宅フリーランス」だったために、そういう誤解が多く生じたと思っています。

母子別姓事実婚

そして。出産です。
事実婚のまま子どもを出産すると、非嫡出子となり自動的に名前が母親の姓と同じなりますが、私は子の姓をパートナーの姓にしようと思っていました。

その場合、2つの方法があります。
1)「出産時だけ法律婚
2)「父親が認知した後、家裁の許可を得て子の入籍届を出す」
という方法です。
1)の場合は子は嫡出子になりますが、2)の場合は(認知後に法律婚をしなければ)非嫡出子になります。

私は夫婦が2人だけでいる場合は2つの姓で生活していてもよいと思うのですが、子ができて家族が増えた場合は「家族のチーム名」としての統一した姓があるほうが便利だと思っています。
チーム名としてはパートナーの姓を選びました。主な理由は「パートナーの姓のほうがチームのメンバーが多かった」からです。私には「自分の家の家督を継ぐ」といったような特に自分の姓にしたい理由も無かったので、子の名前はパートナーの姓を選択しました。

「嫡出子」「非嫡出子」の問題で言うと、パートナーは前妻との間に子がいます。なので、2)の手続きだと、子が「嫡出子」「非嫡出子」に別れます。
以前は同じ親の子どもであっても「嫡出子」「非嫡出子」では相続権に差があり、「婚外子差別」が問題になっていましたが、2013年に民法の条文に対して違憲判決が下り、同年中に民法改正され、婚外子の相続差別は撤廃されました。

(余談ですが、うちの異母きょうだいは交流があります。)
salucoro-mile.hatenadiary.jp

なので、1)でも2)でも問題はなかったのですが、なんとなく「認知」→「家裁の許可」がめんどくさいかな…と思ったのもあって、1)を選択しました。

1)を選択すると、一時的に自分の姓は変わりますが、一時的であれば改正のデメリットは軽減できます。例えば、金融機関の名義変更はそんなに厳密なものでなく、旧姓のままでも使用できます。
長いこと使っているうちにクレジットカードの更新や新規作成など、旧姓使用できなくなってくる機会が増えてきます。なので、短期間であれば法律婚して戸籍名が変わっても、金融機関の名義変更をしなくても大丈夫なことが多いです。同様に、公共料金の契約の名義変更も、旧姓のまま使用できます(口座やクレジットカードと名前が変わると契約者名もそれに会わせて変更することになります)。

事実婚で出産をするにあたり、事実婚に詳しい行政書士さんに相談をして、自分のプランで問題がないかどうかを確認しました。
入籍をギリギリにすると何かあったときにバタバタしてしまうだろうというのもあって、春に婚姻届を提出し、夏に出産、そして、身辺が落ち着いた12月に離婚届を提出して法的には離婚しました。ペーパー離婚というやつです。元々事実婚したいのだからそもそもペーパー法律婚なんですけど。

母子別姓を気にする人が多いのですが、そもそも私は社会的には「水谷さるころ」で、成長すれば子は「母は仕事するときの名前がある」と理解すると思うので、母子別姓に関して子になにか影響があるとは思っていません。私は実生活の大部分でも「さるころ」として呼ばれて生活しているので「名前のアイデンティティ」に関してはかなり特殊だと思います。子どもが母親の名前が別姓だからといって混乱する可能性は、あまりないのではないかと思っています。(※5年後である2020年追記/子どもは6歳になってますが母親の名前が「さるころ」と本名がある事も何もかも基本理解しており疑問に思っていません)

区役所での手続き

クリスマスイブにパートナーと2人揃って区役所へ。クリスマスは婚姻届を出すカップルが多いそうで、窓口は混んでいました(うちは東京都渋谷区なので、これらは全て渋谷区のケースです)。
我々は離婚届の提出です。
日本は離婚した両親の共同親権はないので子どもの籍はパートナー、子の親権は私にしました。
行政書士さんから、籍と親権が片方にあると事実婚の解消のときに籍も親権もないほうが不利になるし、母子別姓になるので子ども名義の銀行口座の開設やパスポートの申請をしたりするのに、母親が親権者であるほうがよいというアドバイスをされ、そのようにしました。

そして離婚をした後、住民票の記載を「妻(未届)」にできるかどうかを確認しました。
本来「妻(未届)」は「結婚予定」の世帯に使われる物なので、基本的には離婚後は「同居人」の扱いになるとのこと。しかし、希望すれば「妻(未届)」にしてもらえるということでした。
「同居人」でも「妻(未届)」でも法的に何か扱いが違うわけではないのですが、「妻(未届)」のほうが婚姻関係であるのが明らかなので、そちらを選択しました。
ただ、役所の扱いとしてはイレギュラーなものなので区長への手紙のような「申出書」を書かされました。
これはどこの区でもやっているのか不明なのですが、住民票の記載は窓口の担当者の責任で表記を変えることができるらしく、手続きとしては担当者が「私がこうしました」というような「職権記載申出書」という書類と、本人達の「こういう事情で記載を変えて貰いました」という申出書がセットでした。
そしてこの記載をするにあたり再婚や事実婚の解消の予定はないかと確認されました。ころころとすぐ記載を変えるわけにはいかないようです。

夫婦別姓を希望して事実婚をしています」というような内容と「しばらく婚姻届を出す予定はありません」という内容を書いて夫婦2人の署名をしました(夫婦2人の署名は必須です)。

その後、担当が違うので念のため保育課等へ確認へ行って下さいと言われたので、待ち時間にパートナーに行ってきてもらいました。
法的に離婚し、親権者は私になるものの「同居しているパートナーがいる」場合はもちろん「母子家庭」の扱いにはなりません。

【誤解されがちなポイント/法的に離婚しても、母子家庭にはなりません】
事実婚をしている」というと「母子家庭のルールが適応されて行政サービスが有利に受けられるのでは?」と聞かれることがあります。
しかし、そんなに行政サービスというのは簡単なものではありません。行政サービスは「実態に基づいて」施行されます。
我が家は母子家庭の控除や助成を受ける必要はないのですが、事実婚によって何か行政サービスが変わることがあるかどうかを確認しました。世帯が一緒であれば事実婚法律婚で変わることはありませんでした。
ちなみに同居はもちろん、離婚後、母子の家庭に父親が通っているという場合も母子家庭の助成は受けられないそうです。

世の中には認可保育園に子を入れるために、書面上離婚する人もいる…と聞くのですが、実際には夫婦の住民票も分けなければならないので、別に部屋を借りるコストもかかるだろうし、認可に入った後も通い婚や同居がバレたら問題になるので、正直そのやり方はメリット少ないのでは…? と思います(聞いた話によると、そういった不正が発覚するのは周囲からのタレ込みが多いそうです)。
事実婚だと保活が有利なのでは? 母子家庭ポイントがつくでしょう?」と保活中に言われたのですが、事実婚は行政サービス上は法律婚と同じですので、優位にはなりません。

なお、うちは周囲に告知していないだけで、保活中は法律婚していました。
保活を頑張り、無事に認可保育園から入園の内定をもらうことができました。認可保育園の申請は11月、内定が出たのは2月。すでに事実婚になっていましたが、それが問題になったり確認されたりということはありませんでした。

f:id:salucoro:20150429155332j:plain

母子別姓で子の代理人業務

「母子別姓」で困りそうなことの一つに「子の代理人としての業務」がスムーズにいくかどうか、ということがありました。身近なケースでは「銀行口座の開設」と「パスポートの取得」などです。
すでに子の銀行口座を開設したので書いておきます。結果からいうと、問題無くできました。
事実婚で母子別姓である」ことを告げて、銀行口座を開設をお願いしました。
自分と子の健康保険証と、親子関係を証明する書類として「母子手帳」を使いました。
窓口へ行く前にこちらのページを参照して行きました。
www.faq.mizuhobank.co.jp
戸籍謄本や住民票など、役所へ取りに行かなければならない書類無しでも無事に銀行口座を開設できました。
次に子のパスポート取得をしたらまた追記したいと思います。

保険・死亡後

我々は現状「共有財産を持たない」という約束をしています。そしてお互いの死後相続もしない予定です。現在は子どもがいるので、子どもが相続します。そして未成年のうちは管理は後見人(残された親)がするので、現時点では相続財産もそれほど大きくならなさそうだし、問題がないと考えています。
しかし、お互いの死後にはお金がかかるはずなので、保険には加入しました。取り急ぎ、都民共済に加入しましたので、以下の手続きは都民共済のものになります。
死亡保険金の受取人をお互いにしたのですが「同居一年以上」であれば「内縁」で受取人をお互いに指定することができます(1度法律婚した後、事実婚になった場合は「同居一年以上」でなくてもよいそうです)。ただ、戸籍・住民票・印鑑登録が必要です。問い合わせをした後、専用の書類が送られてきたので、それに明記し、その他の必要書類をそろえて送り返しました。
お互いが死んだらお互いの喪主になって葬儀を執り行うと決めています。

【誤解されがちなポイント/事実婚の夫婦は親戚付き合いをしない?】
なぜか、事実婚だというと「親戚付き合いをしなくていいのね」と思う人がいるようです。「事実婚」か「法律婚」なのかは親戚付き合いに、基本的には関係ないと思います。法律婚していても、親戚付き合いをしない人もいるでしょう。
うちの場合はどちらの家の家族、親戚とも通常の付き合いがあります。親戚、家族の協力体制というのは、日頃のお付き合いによって形成されるものなので、法律婚してるかどうかは、全く関係がないと思います。

選択的夫婦別姓制度

私は現状の「法律婚をしない事実婚」で基本的に困っていません。
私は「選択的夫婦別姓制度」は賛成派なのですが、現状の事実婚であまり困ってないので、選択的夫婦別姓制度が実現しても法律婚するかはわからないです。自分が使いたいから賛成してるのではなくて、共有財産を持っている事実婚の方などは不利なので、早々に法整備されるといいなと思っています。
(自分が別姓婚を希望するまで知らなかったのですが)現状、日本において国際結婚をした夫婦は(自分から氏の変更をしなければ)「夫婦別姓」です。なので、すでに国内に別姓の夫婦は存在するわけですから、選択できるようになっても問題がないと思っています。

【誤解されがちなポイント/重婚的内縁との違い】
このブログにおいて「ほぼ法律婚をしているのと同じ=事実婚」としている状態は「住民票を一緒にする」ことで受けられる行政サービスが多いです。
法律婚をしている相手がいる人とは、住民票を一緒にすることができません。

事実婚というのは基本的に「内縁」の関係です。
「内縁」という言葉によくないイメージを持っている方がいるようなのですが、おそらくそれは「重婚的内縁関係」のイメージが強いからだと思います。法律婚してる相手がいる場合のことです。しかし「内縁」と「重婚的内縁関係」は違います。
「重婚的内縁関係」にはいわゆる「お妾さん」といったものや、DVや執拗なストーキングなどを受けて離婚ができない人が相手から逃げて、別にパートナーを作るというようなものなどがあります。
「内縁(事実婚)」であれば、ほとんど法律婚と同じように扱われますが、「重婚的内縁関係」は法律的には圧倒的に弱いです。場合によっては法律婚の配偶者に慰謝料を請求されたりしますし、関係の解消やパートナーが亡くなった場合も、基本的に法律婚の配偶者に全ての采配を握られてしまうので社会的にも非常に弱い立場です。
ただ、住民票を一緒にすると誰かを「世帯主」に選ばなければならず(認可保育園の請求や、健康保険料の請求などは世帯主にまとめて送られます)、その状態がフェアではないということで住民票を一緒にしていない事実婚のケースもあります。なので「事実婚=世帯を一緒にしている」と定義されているわけではありません。世帯が一緒だとより「事実婚している」と認められやすいということです。
事実婚」という言葉は「法律婚はしていないが、法律婚していると近しい生活を送っている」を表す言葉なので、様々なケースを含みます。なのでたまに「重婚的内縁関係」に関しても「同居している」というところで「事実婚」という言葉を使うケースもみかけるのですが、できれば「重婚的内縁関係」と「事実婚」は区別して認識して欲しいと思っています。

f:id:salucoro:20150426071443j:plain

長くなりましたが、以上が私の「事実婚」の現時点での体験談です。
所有財産や心境の変化その他、この先に変わっていくことがあれば、その時の条件に合わせて話合いをし、関係を見直しお互いが納得する形に変更する可能性もあります。
これからも何か事実婚にまつわる出来事があればブログに綴りたいと思います。

追記:子のパスポート取って海外旅行しました。
salucoro.hatenablog.com

追加情報:医療関係(2017年時点での一個人の体験談)
パートナーが入院する際に「家族の最終同意」が必要になりましたが、事実婚でも問題なく説明&サインができました(事実婚であることは、全然問題になりませんでした)。
子が手術を受ける際に「母親と別姓であること」について病院から「どういった事情でしょうか」と質問を受けましたが「別姓希望で事実婚です」と説明したら問題ありませんでした。

カースト外に生きる珍獣枠

【珍獣枠はジャンル外】

最近何度か人から「ブスと言われるという話」を聞きました。

文筆業をやっていて、顔出しするのに抵抗があるという人や、文筆業を目指していて顔出しするかどうか、悩んでいる人、などと話す機会があったのですが「外見で商売していない女性」が外見を公表した場合に、必ず外見について揶揄されるという話でした。
「外見で商売」している女性というのはタレント・モデル・女優…などだと思うのですが、作家やイラストレーター、その他の専門的な能力で仕事をしている女性も、写真や映像を公表すると外見は仕事や評価に関係ないはずなのに、必ず一言言われてしまう、という話。

ネットなんか見てると、私から見て超絶美人な綾瀬はるかとかも「あごがしゃくれてる」とか書かれてるので、人の美醜の判定なんてアテにならないし、どんなに素晴らしい人でもものでも「くさす人」というのはいるのだから、あまり気にしてもしょうがないんじゃないかな? とか思ったりしてるのですが、まあ、やっぱりブスとか言われたらムカつくよね…とも思った。

それで、そういえば自分はどうだったかな? というと。
私は自分の名前をGoogleの画像検索にかけると、イラストレーターにもかかわらず、仕事の絵よりも自分の写真がバンバン出てきてしまうのですが。あまり、外見についてとやかく言われないタイプのようなのです。
いや、ここ数年ちゃんとエゴサするの辞めちゃってるので実際にはどっかで言われてるかもしれないのだけど、多分他の顔出ししてる女性よりは外見については「ブス」とか言われないほうだと思います。
どうしてかな? と言ったそばから

「珍獣枠だから」

と人から言われました。

珍獣枠!

さて、珍獣枠とはなんぞや。

最近ネットで「ママカースト」という話題を見かけました。
http://trend-af.com/%E3%83%9E%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88-%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%81%AF%E8%B1%8A%E6%B4%B2%E3%81%8C%E9%85%B7%E3%81%84%EF%BC%9F%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%81%A8%E5%AE%9F%E9%9A%9B%E3%81%AE%E6%A7%98/
http://trend-af.com/%E3%83%9E%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88-%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%81%AF%E8%B1%8A%E6%B4%B2%E3%81%8C%E9%85%B7%E3%81%84%EF%BC%9F%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%81%A8%E5%AE%9F%E9%9A%9B%E3%81%AE%E6%A7%98/


あらやだ〜こわいわ〜。などと思って見ていたのですが…。
そこの図の左端に…なにかある。

「肝っ玉母さん、ヤンママ、シングル母はジャンル外扱い」
と書いてある。

ジャンル外!
ジャンル外扱い!

つまり、これを見て気が付いたのはスペックに対する揶揄やマウンティングというのは
「ルールの中にいる人」にしかされないのだということ。
私が「珍獣枠」と言われるのは「ジャンル外」だとみなされてるんだなあと思ったのです。
外見についてあまり揶揄されないのは「女のルールの中にいない」からだろうなと思いました。

…まあ…、ブランドバッグは持たないし、人の悩み聞いてるとすぐに空手を例えに出すし、モテたいとかも思ったコトないし、女子力とかもほとんど気にしないし、人から見て女のルールの中にいるとは思われないだろうな。

そんなわけで、最近子供を産んで「ママカースト」とか「公園デビュー」とかにビビっていた私ですが、周りから「さるころは大丈夫だよ」と言われる理由がわかってきたような気がします。
f:id:salucoro:20141106023547j:plain

【珍獣のルーツ】

さて、どうして「珍獣」ポジションになったんだろう?

と考えてみれば、やっぱり高校時代を過ごした環境にあると思います。

私の母校は美術系大学付属の女子校で、公立校のクラスに1人はいるであろう
「絵が好き」で「感受性が豊か」で…まあちょっと変わった子、が首都圏から集められたような学校だったのです。

私は雨宮まみさんの「女子をこじらせて」が好きなのですが、
あの本を読んでいて「なんで私は女子こじらせなかったんだろう…」と考えたときに
「こじらせる前提となる枠の中に誰も私を入れなかったから」じゃないかと思いました。

比較的女子校出身者は「女はこうあるべき」的男性の視線に晒されずに思春期を過ごせるので、こじらせにくい傾向があると思います。

更に、その中でも美術系大学付属の女子校だなんて…。
「面白いヤツが最強」
「絵が上手いやつが尊敬される」
みたいな世界…。
「女子力」によるカーストとかヒエラルキーとか、無し!!!

やりたいことをやって、好きなものを好きと言って、誰からも文句を言われない世界。
価値観も人それぞれのものを認め合う「ジャンル外」女子の集まり…。
私はここで女子として自意識をこじらせるどころか、「自分らしさに自信を持つ」強い自己肯定感を培ってしまったのでした。
f:id:salucoro:20141106023508j:plain
※高校時代のイメージ図。

そしてそのまま社会に出れば「ジャンル外」「珍獣枠」ということに…。
「珍獣」扱いされても「面白いヤツが最強」という価値観の絶対正義を疑わなかったので、あまりこじらせたりしなくて済んだのではないかと思います。

私自身は珍獣枠が気に入ってるので
みんなありのままの自分になって、ジャンル外になっちゃったらいいのに!
とか思うのですが、女性として高く評価されたかったりする人生とは無縁ですから、一長一短です。

それでも「おいでよ! どうぶつの森」と思っています。

最近、そんな女子校生活をマンガに描きました。
女子校アンソロジーマンガ「女子校育ちはなおらない」です。
豪華執筆陣に混ぜてもらいました。
って、この長い話告知だったんかいとお思いかもしれませんが、ステルスじゃないマーケティングです。
よろしくお願いします。