ハート♥剛毛系

心が剛毛な心臓モサモサ系の人の散文。主に「自分のこと」を書くのがテーマです。

こわくないもの【遊園地】

先日思い立って富士急ハイランドに行ってきた。

富士急ハイランドには4大コースター「FUJIYAMA」「ええじゃないか」「高飛車」「ドドンパ」と、歩行距離が900m、所要時間50分という巨大お化け屋敷「戦慄迷宮」がある。

 

私はここ数年、歳を重ねたせいかどんどん「こわいもの」が減っている。

私の中では明確に「死なない程度の恐怖=楽しい」なので、最近高いところとか「わあ、こわい」ってものを見ると楽しくてしかたない。

 

まず最初「トンデミーナ」という円盤状の巨大ブランコ、というようなマシンに乗った。足はブラブラ系で円盤がゆるやかに回転しながら、巨大な振り子のように揺れるマシン。このマシンの場合は「こわい1割:重力気持ちいい9割」というような感じだった。あと、風の圧がすごかった。f:id:salucoro:20131122103734j:plain

高さ47m回転ブランコ「鉄骨番長」は高さに対する恐怖もあまりなく、気持ちいい。f:id:salucoro:20131122105825j:plain

「FUJIYAMA」は最高速度130km最後部79mのジェットコースター。実は三度目なので慣れたものである。上からホールドされるタイプの安全レバーがないので多少振られるが爽快感のみ。f:id:salucoro:20131122095758j:plain

「ドドンパ」はスタートしてすぐに172kmに加速するマシン。風、というか空気の圧がすごい! 早すぎて自分が上に登ってるとか下がってるとかどうでもよくなる空気の圧。楽しかった…。写真撮るの忘れた。

 

絶叫マシンが、平気になったのはマシンの性能もあると思う。

なぜなら、ここのマシンのホールド感は素晴らしく、遊びがない。遊びがないので「不快なズレ」があまりないのだ。お尻が浮いたりカーブで右に寄ったり左に寄ったりしない。快適。

ニューヨークのコニーアイランドにある「サイクロン」は1927年からある木製のジェットコースターで、そりゃあもう荒々しい。首がもげるんじゃないかと思うくらいの左右の揺れ。ワイルドさでいうと荒々しい木こりの山男。オッサンな感じがする。それにくらべ富士急ハイランドのマシンは新しくてテクノロジーが駆使されてて、線の細いイケメン感。安心感ハンパない。この人は絶対に私を襲ってこないわ…みたいな感じ。

それだから、あんまりこわくないのかなあ……。という疑念もありつつ

でもこわくないのは「加齢」かなと思ってる。

おばはんになり、世の中を知り、経験値を積み、ちょっとやそっとのことでは驚かない。図太いBBAになった。というような気もする。

んが。世の中には歳を重ねても恐がりな人がいる。
ダメなものはダメという。
で、私は小さいときはこわがりだったのかな…と思い返してみれば、昔から結構「鈍い」タイプではあったような気がする。

なので資質5:経験5くらいの感じで恐怖から解放されているような気がする。

 

それで「戦慄迷宮」である。
これに関して言えば、全然怖くないのは図太いBBAだから。だと思う。しかし、私より年上のパートナー氏は「断固拒否」だった。なので、富士急ハイランドにも着いてこなかった。やはり、心の資質が左右するところはあるのだろうな…と彼を見て思った。
前に並んでたダブルデート2組みカップルの男子が非常に怖がっており「先頭イヤだーー」と怯えていた。その子達と同じチームでビデオを見たのだが、進路に進む際に怯える姿を尻目に「あ、じゃあ先行きますね」とザクザク進んでしまい、ちょっと離れた後ろから「キャーー!」と悲鳴を聞いたときは「ザクザク進みすぎて脅かしてもらえなかった…? なんかもったいない気がする…」とちょっと悔やんだ。

で……かなり数年ぶりに入ったお化け屋敷。まあ、本当に平気なの自分に改めてビックリした。なにこのかわいげのなさ……果ては「せっかく脅かしてもらえるのに、ビックリしなかったら、お化け役のキャストの人に悪いな…」と気を遣う始末…。

ああ、つまんねー、つまんねー女だなーおい。と、思った。

ミサワ的に「こわくなーい、全然怖くないんですけどお?」みたいなドヤ顔したいわけじゃなくて、怖がりたいのに、怖がれない。キャーキャー言いたいのに「うお」とか「わあ」とかしか言えない…。

こんな私と一緒じゃ、恐さ半減である。同行者に申し訳無い…。

そして、さくさく進んでしまい…30分くらいで終わった…。1時間50分も並んだのに。そこかしこから「キャーーー!」て悲鳴があがってるのに…。

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恐がりじゃないって…つまらない…!

そしてこれが終わるとすでに閉園2時間前弱。乗りたかった「ええじゃないか」が締め切られてしまった。並んでる人が多いと閉園時間まで乗れる人数のところで締め切られてしまうのだ。

しかたなしに、第2希望である「高飛車」に並ぶ。最大落下角度121度。90度を越えて頭から落ちるのである。

おおおお。これは期待できる。が「気持ち悪くなる系」だったらイヤだなと。こわいのはいいのだけど、酔うのはいやだ。なので、並んでる間、これが一番「こわかった」。

こわいは、たのしい。

で、結果どうだったかというと、これがまーしっかりとしたホールド感で。超安心な乗り物。で、最初意表をつくコース設定なの。びっくりした。7回宙返りをし、メインディッシュは121度落下。いやー、全然こわくなくてひたすら楽しい、気持ち良い乗り物だった。頭から吊されて一時停止してもホールドが素晴らしいので全然不快じゃない。

楽しかった。

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いや、楽しかったんだけど!

こわがりたかった…! イヤーな気持ちになるくらい、怖い気持ちになりたかった…。そしてタイムアウト。

私の久々の遊園地タイムは終わった………。

 

なんか、本当にかわいげのない大人になっちまったな…という切ない気持ちになった…。これもう、この先バンジージャンプ、スカイダイビングにチャレンジするしかないな…と思ってる。

 

ちなみに「戦慄迷宮」は懐中電灯を渡されて、照らしながら進むのだけど途中で渡されたライトがついたり消えたりして、凝った演出だなー。どういう仕掛けなんだろ? と思ってぐぐってみたところ、どこにもそんなこと書いてなかったのでガチで消えかけたっぽい。

恐がりだったら、最高に泣きそうな気分になるアクシデントだったような気がするけど…全然…平気……だったので……もったいないことこの上ない。

 

いつかお化け屋敷が怖い、という繊細さが私の人生に戻ることがあるだろうか…。