ハート♥剛毛系

心が剛毛な心臓モサモサ系の人の散文。主に「自分のこと」を書くのがテーマです。

カースト外に生きる珍獣枠

【珍獣枠はジャンル外】

最近何度か人から「ブスと言われるという話」を聞きました。

文筆業をやっていて、顔出しするのに抵抗があるという人や、文筆業を目指していて顔出しするかどうか、悩んでいる人、などと話す機会があったのですが「外見で商売していない女性」が外見を公表した場合に、必ず外見について揶揄されるという話でした。
「外見で商売」している女性というのはタレント・モデル・女優…などだと思うのですが、作家やイラストレーター、その他の専門的な能力で仕事をしている女性も、写真や映像を公表すると外見は仕事や評価に関係ないはずなのに、必ず一言言われてしまう、という話。

ネットなんか見てると、私から見て超絶美人な綾瀬はるかとかも「あごがしゃくれてる」とか書かれてるので、人の美醜の判定なんてアテにならないし、どんなに素晴らしい人でもものでも「くさす人」というのはいるのだから、あまり気にしてもしょうがないんじゃないかな? とか思ったりしてるのですが、まあ、やっぱりブスとか言われたらムカつくよね…とも思った。

それで、そういえば自分はどうだったかな? というと。
私は自分の名前をGoogleの画像検索にかけると、イラストレーターにもかかわらず、仕事の絵よりも自分の写真がバンバン出てきてしまうのですが。あまり、外見についてとやかく言われないタイプのようなのです。
いや、ここ数年ちゃんとエゴサするの辞めちゃってるので実際にはどっかで言われてるかもしれないのだけど、多分他の顔出ししてる女性よりは外見については「ブス」とか言われないほうだと思います。
どうしてかな? と言ったそばから

「珍獣枠だから」

と人から言われました。

珍獣枠!

さて、珍獣枠とはなんぞや。

最近ネットで「ママカースト」という話題を見かけました。
http://trend-af.com/%E3%83%9E%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88-%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%81%AF%E8%B1%8A%E6%B4%B2%E3%81%8C%E9%85%B7%E3%81%84%EF%BC%9F%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%81%A8%E5%AE%9F%E9%9A%9B%E3%81%AE%E6%A7%98/
http://trend-af.com/%E3%83%9E%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88-%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%81%AF%E8%B1%8A%E6%B4%B2%E3%81%8C%E9%85%B7%E3%81%84%EF%BC%9F%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%81%A8%E5%AE%9F%E9%9A%9B%E3%81%AE%E6%A7%98/


あらやだ〜こわいわ〜。などと思って見ていたのですが…。
そこの図の左端に…なにかある。

「肝っ玉母さん、ヤンママ、シングル母はジャンル外扱い」
と書いてある。

ジャンル外!
ジャンル外扱い!

つまり、これを見て気が付いたのはスペックに対する揶揄やマウンティングというのは
「ルールの中にいる人」にしかされないのだということ。
私が「珍獣枠」と言われるのは「ジャンル外」だとみなされてるんだなあと思ったのです。
外見についてあまり揶揄されないのは「女のルールの中にいない」からだろうなと思いました。

…まあ…、ブランドバッグは持たないし、人の悩み聞いてるとすぐに空手を例えに出すし、モテたいとかも思ったコトないし、女子力とかもほとんど気にしないし、人から見て女のルールの中にいるとは思われないだろうな。

そんなわけで、最近子供を産んで「ママカースト」とか「公園デビュー」とかにビビっていた私ですが、周りから「さるころは大丈夫だよ」と言われる理由がわかってきたような気がします。
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【珍獣のルーツ】

さて、どうして「珍獣」ポジションになったんだろう?

と考えてみれば、やっぱり高校時代を過ごした環境にあると思います。

私の母校は美術系大学付属の女子校で、公立校のクラスに1人はいるであろう
「絵が好き」で「感受性が豊か」で…まあちょっと変わった子、が首都圏から集められたような学校だったのです。

私は雨宮まみさんの「女子をこじらせて」が好きなのですが、
あの本を読んでいて「なんで私は女子こじらせなかったんだろう…」と考えたときに
「こじらせる前提となる枠の中に誰も私を入れなかったから」じゃないかと思いました。

比較的女子校出身者は「女はこうあるべき」的男性の視線に晒されずに思春期を過ごせるので、こじらせにくい傾向があると思います。

更に、その中でも美術系大学付属の女子校だなんて…。
「面白いヤツが最強」
「絵が上手いやつが尊敬される」
みたいな世界…。
「女子力」によるカーストとかヒエラルキーとか、無し!!!

やりたいことをやって、好きなものを好きと言って、誰からも文句を言われない世界。
価値観も人それぞれのものを認め合う「ジャンル外」女子の集まり…。
私はここで女子として自意識をこじらせるどころか、「自分らしさに自信を持つ」強い自己肯定感を培ってしまったのでした。
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※高校時代のイメージ図。

そしてそのまま社会に出れば「ジャンル外」「珍獣枠」ということに…。
「珍獣」扱いされても「面白いヤツが最強」という価値観の絶対正義を疑わなかったので、あまりこじらせたりしなくて済んだのではないかと思います。

私自身は珍獣枠が気に入ってるので
みんなありのままの自分になって、ジャンル外になっちゃったらいいのに!
とか思うのですが、女性として高く評価されたかったりする人生とは無縁ですから、一長一短です。

それでも「おいでよ! どうぶつの森」と思っています。

最近、そんな女子校生活をマンガに描きました。
女子校アンソロジーマンガ「女子校育ちはなおらない」です。
豪華執筆陣に混ぜてもらいました。
って、この長い話告知だったんかいとお思いかもしれませんが、ステルスじゃないマーケティングです。
よろしくお願いします。